理由の分からない涙は、心の再生が始まる胎動
心が死ぬと、感じられなくなる。
感じられなくなると、泣けなくなる。
少しずつ回復の途を辿ったなら、
時が来ると、
理由の分からない涙が頬を伝う。
きっとそれは、
内側が少しずつ溶け出したサイン。
心の再生が始まる胎動。
涙が流れる度に、
少しずつ息を吹き返していくんだ、
きっと。
いつかの私もその途にいた。
心を凍らせたいつかの私が通った道を歩きながら思う
泣いていい
笑っていい
何を感じてもいい
感じなくてもいい
心を凍らせたいつかの私が通った道を歩きながら思う
どんな私もいいんだ
これまでのどんな私も、今につながっているから
泣けなかった私も
泣けるようになった私も
苦しさに気づいていなかった私も
気づくことができた私も
人は苦しいほど、悲しいほど、辛いほど、泣けないものなのだと思う
その間に、身体には、その気持ちと共に涙が溜まっていく
そして、時がくると、涙が溢れてくる
その苦しさ、悲しさ、辛さを感じる準備ができた時
涙が込み上げてくる
頬をつたう涙が真実を教えてくれる
泣いていい
泣いていい
泣けなくてもいい
どんな私もいいんだ