今年は、蝶々と縁がある一年だった。
蝶々が、ここまで集中的に人生に現れ、気づきのきっかけとなったことは、これまで無かったと思う。
年明けに読んで感銘を受けた本:『青虫は一度溶けて蝶になる』
年明けに読んで心に残っている本は、『青虫は一度溶けて蝶になる』だ。
蝶が本のタイトルに入っている。
本の中にも、蝶々にまつわるストーリーが1つ入っていて、印象に残っている。
著者の一人が東京で電車に乗った際に、車内にいた蝶々。
どこからか乗ってきて、どこかで降りていく。
降りた駅でこの蝶々を見た人は、この蝶々が遠くの駅からやってきたと思うことはない。
そして私たちも、日々出会う人の過去や経験、横のつながりを意識することは多くない。
けれど、目の前の人のそうした前後左右に連なるドラマを敬うことで、私たちは優しさを育むことができる。
そんな内容だったと思う。
文章を読みながら、蝶々のひらひら舞う姿をイメージした。
幻想的なその姿は、意識を目の前の現実世界から、遠く離れたところへと誘う。
著者に、哲学的な問いと思索が浮かんだことも頷ける。
気づきのきっかけとなった、蝶の絵柄が入ったOSHO禅タロットカード”BEYOND ILLUSION”
お世話になっているOSHO禅タロットカード。
いつでも、その時の自分にピッタリ合ったものを引き、そのメッセージの深さに驚くカード。
今年は”BEYOND ILLUSION”を二度引いた。
真ん中に大きく蝶々の絵がある印象的なカードだ。
このカードが私にもたらした意味は、とても大きかった。
一度目は、カードを見ても何も感じなかった。
二度目はじっと見つめていたら、亡き人の死に顔に見えた。
そこから、思いがけなく涙が溢れ、私は自分の内側を見つめる旅へと出た。
深い気づきにつながるきっかけとなったカードだった。
夏に訪れた駒ヶ根で出会った、旅する不思議な蝶”アサギマダラ”
夏には、駒ヶ根で旅する不思議な蝶々”アサギマダラ”に出会った。
海を渡り、旅する蝶々。
1000キロ〜2000キロも海を渡って移動すると言う。
あのひらひらした羽で、海を渡っていくなんて想像がつかない。
もしも疲れて、海面に落ちたらどうなってしまうの?
・・・と勝手に心配になったほどだ。
神秘的な存在である。
蝶々は、さまざまな作品で読み手を異次元の世界へと誘う
よく思い出す物語に、”胡蝶の夢”がある。
学生時代に習ったものだが、その不思議な世界観が心に残っている。
“胡蝶の夢”から連想するように思い出す、黒澤明監督の”夢”という映画もあるが、この映画もとても不思議な余韻がある。
蝶々が舞う姿は、どこか異世界や幻想的な世界を思わせる雰囲気があると思う。
昔よく読んでいた漫画にも蝶々が登場していた。
現実世界とは違った、過去の場面や、登場人物の心の世界などへと場面転換する時に、ひらひらと舞う蝶々がコマの中へ現れた。
読みながら、どんどん作品の不思議な世界観へと引き込まれていったことを覚えている。
蝶はその大きな一役を買っていたと思う。
蝶が象徴する変容の一年、蛹状態だった私は羽化の時期を迎えている
今年は、私の人生に蝶々がよく現れた一年だった。
今年という一年、私は時空間の少し違う異次元の世界に、心が旅をしていたのかもしれない。
蝶々は、その象徴だったように思う。
これまで足を踏み入れたことのない深みへと、少しだけ足を踏み入れた自覚もある。
友人とそんな話をしていたら、蝶々は亡き人からのサインで、挨拶に来ているんだよ、と言われた。
本当にたくさんの気づきを与えてくれた故人であったが、亡くなった後も色んな気づきを与えてくれる。
蝶々は、私の変容を示すサインであり、それをもたらしてくれた人の存在を伝えるサインであった。
蝶々を見る度に、私はこの一年の内なる旅を思い出すだろう。
この文章を書きながら、過去に自分の書いた記事を思い出した。
*人生における蛹(さなぎ)の季節、身体と心が引きこもりたいと、切に願っている
つい数ヶ月前まで、私は蛹(さなぎ)状態だったのだ。
その私は、いま、羽化の時期を迎えている。
当時と比べてみると、眼に映る景色はだいぶ変わった。
内側に、静かな決意と、小さいながらも確かに存在する中心を感じる。
この一年を大きな成長の糧にできたと、自分を誇らしく思える未来を、ここから創っていこうと思う。