人は人に影響を与えてしまう
本人が意図しなくても
影響を与えてしまうもの
それが存在というもの
誰かから、大きな大きな影響を受けていればいるほど
その存在を失った時の喪失感は深い
まるで、人生をレイプされたかのようだ
その人は、勝手に入って来て、勝手に出て行った
けれど、なぜこんなに大切なものばかりが手元に残っているのだろう
なぜ、大切な瞬間の記憶たちが、急に浮かび上がってくるのだろう
なぜ、その記憶たちが、鮮やかになり、そしてリアルになっていくのだろう
消えるどころか、刻まれていく
どこからともなく流れる涙は
自分が泣いているようには思えない涙
もっと心の深い部分、魂とも言えるものが泣いている感じがする
悲しい、という感情とは何かが違う
魂が自らのかけらを失って寂しがっているような気がする
「どこへ行ってしまったの」
一部を失った魂が、心許なさを感じてる
「返して、私のかけら」
うずくまって、声にならない声で、そう叫んでる
起こった現実を、まだちゃんとは把握できずに戸惑いの中にいる
何もかもが癒し手には感じられない中で
過ぎ行く時間だけが味方に思える
巡る季節だけが行先を示してくれるように思える
でも、本当は、奥底では知ってる
何が起こっているのかを
そして、そこには光しかないことも
光がその手を広げて待っていることも
その手の中に飛び込めばいいだけ、ということも