湯河原ご縁の杜『地球46億年を体感する旅〜歩く哲学』に参加して:地球視点を持つ新しい目を与えてくれた

真鶴半島自然公園の地図

『地球46億年を体感する旅〜歩く哲学』に参加した

湯河原リトリートご縁の杜で主催している、

“地球46億年を体感する旅〜歩く哲学”に参加してきた。

地球46億年の歴史を、4.6kmのコースを歩きながら体感していく旅だ。

1年ほど前に、イベントの存在を知って、気になっていた。

自然が大好きで、歩くことも大好きな私にとっては、

森の中を歩く、というだけでも、とても惹かれる。

けれど、それだけでなく「地球46億年を体感する」「歩く哲学」という言葉に惹かれて参加を決めた。

天気が変わりやすい梅雨シーズンということもあり、

当日の天候は、前日まで予想できない状態だった。

曇天ながら、なんとか雨が降らずにいる天候の中、歩く気満々の参加者である私たちを連れて、

ご縁の杜代表の深澤里奈子さんは、元気良く車に皆んなを乗せ、真鶴の森へと向かう。

車中でも運転しながら、このイベントの主旨や、

そもそもの開催のきっかけとなった体験プログラムを実施している、イギリス・シューマッハカレッジでの学びをシェアしてくれた。

たくさんの心に残る言葉があったけれど、

振り返ってみると、実際に歩いてみての体験と体感以上のものは無いという気がする。

137億年前、宇宙誕生の地点からウォーキングスタート!

いよいよ、出発地点に到着。

トイレを済ませて、記念撮影をして、ウォーキングスタート。

森の入り口にある神社の前で、今回の旅で何を持ち帰るか意図を立て、お参りを済ませる。

そして、森へと足を踏み入れる。

今回は天気も持ちそう、ということで、地球誕生の46億年前よりはるかに昔、宇宙が誕生した137億年前からスタートする、フルコースを歩けることになった。

少し寝不足だったけれど、既に森に入って元気になってきていた私は、やったー!と嬉しくなった。

出発地点にある大きな木の前に集まり、

137億年前、ビッグバンにより宇宙が誕生したところから旅はスタートした。

「これから一歩歩くごとに50万年ずつ時が進んでいきます。一歩歩くごとに『50万年』と心の中で思ってね。」と深澤さんは語りかける。

地球が誕生する46億年前の地点までは、サイレントウォーク。

言葉を発しないで静かに歩く。

木々の葉が揺れる音や、鳥のさえずりなどが聞こえてくる。

私は、静かに歩きながら、

一歩進んでは「50万年・・・」、

また一歩進んでは「50万年・・・」、

と心の中で呟いていた。

91億年という時を、自分の踏み出す一歩と距離とで、ゆっくり味わいながら歩いていく。

ここだけでも既に、気の遠くなるほどの時の長さを感じていた。

歩きながら、地球に起きた出来事を辿る

46億年前、地球が誕生。

ようやく到着した、という感覚。

その後も、時折立ち止まりながら、地球の歴史で節目となる出来事を説明してくれる。

38億年前、地球に生命が誕生。

27億年前、バクテリアの誕生などなど・・・。

その間も、私は時折思い出しては、一歩進むごとに「50万年、50万年・・・」心の中でと呟いていた。

旅の折り返し地点となる海岸で、バクテリアの誕生を迎え、

ご縁の杜特製のお弁当休憩を楽しんだ。

ご縁の杜、ウォーキングのお弁当

休憩後、しばらく歩いたところで、ジャングルのような場所になり、ようやく恐竜の誕生を迎えた。

哺乳類の誕生は、その更に後のこととなる。

その時々を楽しみながら歩いているのだけど、だんだんと果てしない時の長さを感じていった。

まずもって、生命が誕生するまでの期間も、かなり長い。

その時の長さを、自分の足で一歩一歩体感していく。

そしてついに旅も終盤、出発地点へと戻ってくる。

出発地点が終点となるのだ。

地球誕生からが4.6kmのはずだから、ここまで4.6km以上は歩いてきたことになる。

137億年前、宇宙が誕生した地点にあった、あの大きな木がすぐそこにあった。

その木の手前30cm、私の一歩にも満たないところで人類が誕生する。

20万年前、ホモ・サピエンスの登場。

そこから数cm単位、あるいは数mm単位で目まぐるしく起こる人類の進化、気候変動、異常気象。

ここまで歩いて来た中で感じてきたものとは全く違う、時の流れと変化の速さに、ただただ驚く。

人類誕生以降に起きた地球の変化を聞いていると、人類が悪に思えてくるけれど、

これまでの歩みから、その捉え方も違うような気がしていた。

その感覚を代弁してくれるかのように、深澤さんからの語りかけが入る。

「近代化、工業化の影響もあるだろうけれど、人類の存在を悪と捉えるのではなく、

この私たちが地球に存在していることの意味も感じながら、

もっともっと大きな地球視点でこの世界を見ることが大切なのではないか」

地球視点という言葉に、私の視野は一気に広がり、視座が高まるのを感じた。

地球視点を持つことは、私にとっては地球に抱(いだ)かれている感覚を思い出すこと

今回歩きながら辿ってきた、宇宙や地球の歴史については、

その分野に詳しい人などは、きっと既に知識としてはもっている情報も多いかもしれない。

けれど、自分の足で歩くことで時の長さを感じられ、人智を超えた計らいのようなものに思いを馳せることができるのではないか、と思った。

太古の昔から気候変動を繰り返し、生命を育んできた地球は、人類である私たちの誕生を迎え入れ、その活動を見守っている。

起きていることにきっと、良い・ダメはなくて、何が起こっているのかを、自分一人の視点だけでなく、もっと大きな地球の視点で見てみることで、

自分を含め誰かを責めることなく、自分にできることと、できないことが見えてくる。

そして、そのできることをしていくことこそが大事なのだと思った。

地球視点で物事を捉えると書くと、かたい感じがしてしまうけれど、

私がこの体験を通して得た感覚は、地球に抱(いだ)かれている感覚を思い出すことだった。

そして、地球という船に乗っているような感覚。

きっと、この感覚を思い出すことで、狭くなってしまう視野を広げて、

地球視点で物事を見つめ、捉え、行動に移すことができるだろうと思う。

カウンセリング・セラピーの役割は、視野・視座・視点の転換だというけれど、

この地球46億年を体感する旅も、同じ役割を果たしてくれたように思う。

現実を見る新しい目を与えてくれた体験だった。

地球46億年の旅、集合写真

*本イベントは不定期開催しているようです。ご興味のある方は、湯河原ご縁の杜イベント案内ページをチェックしてみてください。

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この記事を書いた人

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わたなべ えり

カウンセラー/セラピスト/講師/ファシリテーター
カウンセリング・セラピー・コーチングなどを融合させ、人がいのちの喜びを生きることをサポートしています。
10代の頃から心に興味を持ち学ぶ。「自分のやりたいことが分からない」、「感情が分からない」、「人とのコミュニケーションがうまくできない」、自身も苦しんだこれらの悩みに光をもたらしてくれたのは、心の学びを通じて、自分の心を見つめることでした。
悩み苦しみは、転じていのちの喜びへと通じているのだと思います。そのプロセスの伴走をさせていただいています。
好きなことは、旅、読書、音楽を聞くこと、散歩。また、自然をこよなく愛する。