忙しくてやることに追われていると感じる時、心を落ち着けてくれるシンプルな言葉

駒ヶ根に咲く花

日々の仕事や生活のこと、やるべきこと、やりたいことなどで頭がいっぱいだ。

そして、スケジュールも埋まっている。

ふと気づくと、タスクや課題、やりたいことや、やるべきことが次々と頭に浮かんできて、焦りが募る。

あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ・・・

それとは裏腹に、すでに沢山のことをこなしているからだろうか、身体は休みたいと言っているし、

いざ時間ができても、どこから手をつけたらいいか分からない状態になっていることも感じる。

あまりに忙しくなったり、負荷をかけすぎると、身体、心、頭とでこうした乖離が起きてくるんだな、と身をもって体感しているところだ。

ほとんどのことが、自分がやりたいことであり、やらされている訳ではない。

そういう意味では、どれもやりたいことなのだ。

けれど、あまりに増えすぎると、実際に事が進まず、あわあわした状態になるのだろう。

ついてこない身体と心に対して、頭が焦っているような状況だ。

頭はこんなことをしゃべってる。

「えー、ゆっくりしてて大丈夫なの?」

「あれも、もう始めないと間に合わないよ。」

「あれも、これも、それも、やらなきゃいけないこと沢山だよ。」

なかなかの責め口調で、プレッシャーをかけてくる。

頭の言っていることは、もちろんその通りなのだけれど、本当の意味で理性的とは言えない。

焦りをベースにした思考だから、プレッシャーをかけるだけに終わるし、却って手につかなくなることも多々あるからだ。

そんな時にふと思い出した言葉があった。

雪をかぶった木の実

ずっと昔に、知人が相談を受けている場に居合わせたことがあった。

色々とやることが多くて手につかない状態で困っている、と、今の私と同じような悩みの相談だった。

私は横で、何の気なしにその会話を聞いていた。

知人は、その人にこう答えた。

「『ひとつずつ。』と心の中で唱えるんですよ」と。

「そうすることで、心が落ち着き、ひとつずつやっていこうという気になるのです。私自身がそうでした」と。

当時、私はそこまでこうした悩みを持っていた訳ではなかったけれど、その知人の言葉がなぜか心に残った。

ここ最近忙しさに苦しむ友人の話を聞く機会があったが、私は自然にこの言葉を友人に伝えていた。

「ひとつずつ、って思えばいいんだよ」と。

友人へも助言してしまうほど、この言葉は私の中で存在感を増していたようだった。

そして、今回は自分がその状態にあることに気づき、自分の内側でそっと唱えた。

「ひとつずつ。」

「ひとつずつ。」

「目の前のことから、ひとつずつ。」

そうすると、すーっと心が楽になるのを感じた。身体の緊張が和らいだ。

これこそが、本当の意味での現実的思考であり、澄んだ理性であり知恵だと感じた。

結局はひとつずつしか取り組めないのだし、ひとつずつこなし終わらせていくことしかできない。

プレッシャーをかけて焦っていては、ひとつすらも手につかない。

そうであるならば、ゆっくりではあっても、落ち着いた心境で確実に手をつけていくことの方がずっと大切なことだ。

優先順位の高いものから、ひとつずつ。

この言葉は、大切なことを思い出させてくれた。

「ひとつずつ。」

そう思うと、地に足がつき、浮わついていた意識が、ぐーっと身体の下の方へと下がってきて、重心が下がってくるのを感じる。

予定が詰まっている時や、自分の心と身体が、動きたくない!と叫んでいる時、

この言葉の持つ、無理のない優しさと、静かでありながら大きい推進力とを感じる。

ひとつずつ。

ひとつずつ。

ひとつずつ手をつけて、ひとつずつ進めていこうと思う。

長期的な目線で見たときに、自分にとって大切なことを推し進めていくためにも。

人生とは、こうやって、一歩ずつ歩いていくものなのだろう。

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この記事を書いた人

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わたなべ えり

カウンセラー/セラピスト/講師/ファシリテーター
カウンセリング・セラピー・コーチングなどを融合させ、人がいのちの喜びを生きることをサポートしています。
10代の頃から心に興味を持ち学ぶ。「自分のやりたいことが分からない」、「感情が分からない」、「人とのコミュニケーションがうまくできない」、自身も苦しんだこれらの悩みに光をもたらしてくれたのは、心の学びを通じて、自分の心を見つめることでした。
悩み苦しみは、転じていのちの喜びへと通じているのだと思います。そのプロセスの伴走をさせていただいています。
好きなことは、旅、読書、音楽を聞くこと、散歩。また、自然をこよなく愛する。