人の死は、その人との関係性によって、感じる感情は異なる。
関係の深さは、本人が気がつかなくても実は深かった、ということもある。
そして、悲しみの深さもその関係によって異なる。
けれど、悲しいだけじゃない。
光と闇は常に一体。
だから、悲しみと同時に、同じだけの光もそばにはある。
そのことを感じさせてくれて、癒してくれる絵本の存在を知った。
死とは何なのか、ということも教えてくれる絵本だと思う。
『わすれられないおくりもの』
以前ある人に言われた。
「人がもたらす存在の質や周りへの影響は、その人が居ない時に分かるんだよ」と。
例えば、いつもいるあの人がお休みしていて居ない、というだけでも、
その人から受けている影響や、その人が場にもたらす影響は分かる。
けれど、亡くなった時には、もっと分かる。
亡き人のもたらしてくれたものが何であったのかを本当の意味で知るのだと思う。
どんな形でその人とつながっていたのか。
そのつながりの質、深さ。
もらった沢山の言葉たち、
ぬくもりやエネルギー。
教えてもらったこと。
その人との関係を通して、起こった自分の変化。
全てが、思い出す必要も、確かめる必要もないくらいに、浮き彫りになる。
ぜんぶぜんぶ、大切なおくりもの。
そして、私たちは、何気ない日々の中で、実はそうやって大切なおくりものを手渡し、
あるいは受け取っているのだということも、この絵本は教えてくれる。