訃報が耳に届いた。
えっ???
驚きとと共に身体が固まる。
なぜ?
どうして?
いつ?
沢山の問いが頭の中を駆け巡る。
答えを知ったとしても、
変わらない訃報。
変わらない「死」という事実。
時と共に、悲しみがやってくる。
やがて、寂しさがやってくる。
故人の顔が、脳裏に浮かんでは消える。
どうして訃報はいつも、胸をえぐられるような感覚になるのだろう。
なぜ、ぽっかりと心に穴が空いたように感じるのだろう。
そのえぐられた部分が、亡き人と一緒に空へと昇っていってしまったような感覚になる。
心に穴が空いたままの私に、故人の存在が深く語りかける。
大切に生きるんだよ、と。
亡くなった人はいつも、心にずっしりと重みのあるメッセージを残していく。
命には限りがあること。
どんな人にも、本当は、約束された明日などないこと。
大切なのは、心のままに精一杯生きること。
それらのメッセージの重みだけが、身体に感覚として残る。
そして、しばらく重みを感じていると、前を向いて歩き出そうとする自分を感じる。
自分にできることはただ一つ。
限りあるこの命を、精一杯生きることなのだと。
そう自分に言い聞かせながら。