自分の気持ちが分からない時、まるごと受け止めてもらいたい時、海が癒してくれる

海その1

身近な人の死を経験した。

俄かに慌ただしくなった。

同時に、予定をいれるのを止めた。

無意識に手が止まった、という方が正確かもしれない。

そうしたら、ぽっかりと時間ができた。

そのぽっかりとできた時間に、海に行きたくなった。

海を見ていたら、少し楽になれるような気がした。

心の中に湧いてくる悲しみや、切なさや苦しみ、不条理へのやるせなさ。

放っておいたら、澱のようにたまっていきそうな感情たち。

そんな感情たちを、海なら流していってくれる気がした。

電車とバスを乗り継いで、海へと向かった。

海を見た瞬間に、私の心と身体がホッとするのを感じた。

同時に、少し力が入って緊張していた自分に気づく。

ただただ、海を眺める。

時折、感情が込み上げてきて、涙で目が滲む。

海を眺める時間が、現実を変えるわけではない。

現実は変わっていくもの。

絶え間なく揺れる波たちが、そのことを改めて教えてくれる。

ずっと海を眺めていると、不思議と心が和らいでいく。

静かになって、落ち着き、安心する。

ただ、海を眺めて時間を過ごす。

海その2

そうしていたら、ふと疑問が湧いた。

なぜ海に癒されるんだろう、と。

海は、私が何を思っていても、何を話しかけても、何一つ変わらず、そのままだからなのかもしれない。

私の思いや感情に左右されない。

ただ在るだけ。

誰かに話を聞いてもらって癒やされることもあるだろう。

けれど、人は思い思いの聞き方をし、反応をする。

相手に悪気がなくても、何気ない一言に、或いは反応がないことに、余計に心が波立つ時がある。

その波立ちを起こしたくない時がある。

ただ、内側にある思いや気持ちを、自然に変化していくに任せたい時がある。

空中に舞う塵が、時間と共に静かにおりていくように。

そのことを海は許してくれる。

海はただ在るだけ。

ただそこに在って、私たちを生かし、育み、恵みを与えてくれる自然は、愛そのものだと思う。

その愛に触れると、心が安らぎ、苦しみが和らぐ。

それが癒しなんだと思った。

愛は、癒し。

気づけば、もう毎週のように海に行っている。

話したくない時は、話さなくていい。

無理しなくていい。

この世は諸行無常。

海は、水の流れで時が流れていくことを、

波の変化で物事が変わりゆくことを感じさせてくれる。

自分の気持ちも、ずっと同じというわけではない。

変化していく。

自分の気持ちが分からない時、まるごと受け止めてもらいたい時、私は海へ行く。

海が湛える大きな愛に、ゆったりと身を任せることができた私は、だいぶ元気になったと思う。

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この記事を書いた人

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わたなべ えり

カウンセラー/セラピスト/講師/ファシリテーター
カウンセリング・セラピー・コーチングなどを融合させ、人がいのちの喜びを生きることをサポートしています。
10代の頃から心に興味を持ち学ぶ。「自分のやりたいことが分からない」、「感情が分からない」、「人とのコミュニケーションがうまくできない」、自身も苦しんだこれらの悩みに光をもたらしてくれたのは、心の学びを通じて、自分の心を見つめることでした。
悩み苦しみは、転じていのちの喜びへと通じているのだと思います。そのプロセスの伴走をさせていただいています。
好きなことは、旅、読書、音楽を聞くこと、散歩。また、自然をこよなく愛する。