ボーカルトレーニングと心の学びの共通点

ボーカルトレーニングにコンスタントに通って5年ほどが経ちます。

続けていて思うのは、歌うこと、声を出すことは、すごく自分を見つめることにつながっているということ。

声を出すことを続けていると、自分の思い込みや癖に気づくのです。

その思い込みや癖は、時に身体の使い方であったり、時に、この声を出す際はこうするものだといった考えの部分での思い込みもあります。

そして、これまで出なかった声が出るようになる過程で、その思い込みが外れていく、そんな体験を幾度となくしてきました。

その度に、目の前にぱーーっと新しい世界が広がる感覚があります。

出ないと思っていた声が、実は拍子抜けするくらい楽に出ることにも驚くのです。

先日もそんな体験をしました。

レッスンの中で、地声では出せていない高めの音域にチャレンジしていたのです。

チャレンジしていると、声がひっくり返ったりします。

私は、それまでは、このひっくり返る感覚を察知すると、そこを避けて裏声のような声へと切り替えていましたが、先生の誘導に従って、思い切って出していきました。

終わってみると、ひっくり返りながらも、そんなに高い声が出たの?という音域まで声が出ていました。

そして、そのあとに先生に言われた言葉が心に残りました。

「声がひっくり返るところと、良い声は紙一重。

ひっくり返ることを恐れて、違うところに逃げると、その人の本当の声・良い声はもう出ないと言われる。

そこを乗り越えていかないと良い声が出ない。けれど、その良い声は自分にとっては良い声に聞こえない。」

レッスンの中で教えてもらうことは、毎度毎度深くて、声を出すことって心とすごく結びついているなぁ、と感心してしまいます。

心のことも、自分が向き合いたくないと思っていることほど、怖くて避けたいと思っていることほど、向き合った先に本当に宝とも言えるものがある。

もしも、向き合うことを逃げて避け続けるならば、苦しいまま、あるいは可もなく不可もないという状態が続いてしまう。

本当の喜び、深いところからの喜びを感じられないのです。

そして、自分の人生の音楽を奏でられないままになってしまうのです。

声の面でも、人生の面でも、恐れて逃げそうになってしまう局面があった時には、乗り越えた先にある本当の声・人生を感じながら、進んでいきたい、そう思いました。

いつもいつもボーカルトレーニングは、歌うことや声のこと以外に、様々な学びを与えてくれます。

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この記事を書いた人

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わたなべ えり

カウンセラー/セラピスト/講師/ファシリテーター
カウンセリング・セラピー・コーチングなどを融合させ、人がいのちの喜びを生きることをサポートしています。
10代の頃から心に興味を持ち学ぶ。「自分のやりたいことが分からない」、「感情が分からない」、「人とのコミュニケーションがうまくできない」、自身も苦しんだこれらの悩みに光をもたらしてくれたのは、心の学びを通じて、自分の心を見つめることでした。
悩み苦しみは、転じていのちの喜びへと通じているのだと思います。そのプロセスの伴走をさせていただいています。
好きなことは、旅、読書、音楽を聞くこと、散歩。また、自然をこよなく愛する。