展示会へ足を運んだきっかけ
新宿の東京オペラシティアートギャラリーで開催されている「谷川俊太郎展」へ行って来た。
先日みうらじゅんフェス!に行き、こうした展示会にもっと足を運びたいと思っていたところに、知人がこの展示会のことをSNSに投稿しているのを見かけた。
もともと詩は好きだし、谷川俊太郎さんの詩で好きなものもある。
これは行かなくては!と思い立った。
意図を立てると、やはりアンテナが立つので、今回の機会を得たのだと思う。
詩人の方の展示会って、どんな感じなんだろう?
谷川俊太郎さんは、いくつかの詩と絵本で存じ上げているだけだったが、詩人の展示会というのにとても興味を惹かれた。
詩人の展示会ってどんな感じなんだろう?
以前、あいだみつをさんの展示会には行ったことがあったが、なかなか詩人の展示会は例がないように思う。
そんな風に思っていると、会場入口に置かれた、谷川俊太郎さんご本人の挨拶文にもそのことが書かれていた。
歌手じゃないから歌うわけにもいかないし、どうしたもんか、と。
けれど、色んな方の協力とアイディアで、とてもアーティスティックな展示会になったとのこと。
期待感が募る。
工夫が凝らされた展示が、とても刺激的だった
会場に入ってみると、壁や、ディスプレイに書かれた谷川さんの詩や言葉も素敵だったが、全体的な見せ方もとてもクリエイティブで刺激的だった。
展示された作品は、個別の作品をクローズアップしての撮影は不可となっているが、そうでなければOK。
その他にも、いくつかの撮影不可エリアがあるが、それ以外のエリアを少し画像付きで紹介したいと思う。
谷川俊太郎さんの詩の中で、言葉遊びとも、音遊びとも言えるリズミカルな詩がある。
それらの詩は、音と映像を交えた形で紹介されていて、詩の音とリズムを感じられる工夫がされていた。
メインとなるエリアは、詩を視覚化、立体化させ、書籍や文字のみで感じる詩とはまた違った感覚を楽しめるようになっていた。
そして、この本棚には、これまで生み出した作品が、すべての棚に置かれている。
その量に圧倒された。
谷川俊太郎さんの趣味であるコレクションや、影響を受けた映画や、お父様の書籍なども展示されていた。
こういうその方のルーツと言えるものを知れるのは、個人的にとても好きだ。
もう一つ驚いたのが、誕生から現在に至るまでの人生史の展示だ。
写真を撮り忘れてしまったが、全長数メートルに渡って、年表が展示されていた。
どんな子ども時代を送り、代表作をいつ生み出し、その後どうやって活動を発展させてきたのか。
お父様は、有名な哲学者であること。
プライベートでは、結婚と離婚を三度繰り返したことなど。
本当に知らないことだらけだった。
ご本人の作品から感じる軽やかさを、人生史からも少し感じた。
自由に軽やかに、精力的に、そして、時に熱中して過ごしてきた方なのではないか、そんな風に感じた。
見終わって感じたこと
すべてを見終わり、人生史から伝わってきたものが、心に余韻を残す。
一人の人間としての、その方の人生に触れることは、どうしてこうも深く胸に残るんだろう。
思えば、ずっと昔、日本テレビで放映されていた「知っているつもり?!」という番組が好きだった。
1回につき1人、歴史上の人物や世の中にはあまり知られていない人物などが取り上げられ、その人物の生涯を振り返って紹介していく番組である。
一人の人の一生は、他の誰とも違う固有の物語であり、ドラマだ。
生まれ落ちた時代と環境、その後困難をどう乗り越え、岐路をどう選択し、どんな一生を送っていったのか。
その物語を感じることで、言葉にならないメッセージを受け取っているような気がするのだ。
現在進行形で、一人の人間としての人生を生きる自分への。
それは、時に励ましであり、時に生きる方向を指し示すものであり、時に忘れてはいけない大切なものであったりする。
たとえ、お互いの人生がリアルに交わることがなくても、人と人はお互いの人生に影響し合っている。
日常の中で微かに感じているこの感覚を、こうした展示会ではより強く感じさせてくれる気がする。
さて、谷川俊太郎さんの人生に触れた自分にどんな変化が起こるか楽しみだ。
そして、もっと分かりやすいところでは、これから谷川俊太郎さんの作品に触れた時に、自分がどう感じるかが楽しみだ。
参考ページ:
・谷川俊太郎展@東京オペラシティアートギャラリー(2018/1/13(土)~3/25(日))
・テレビ番組「知ってるつもり?!」のWikipedia